こんにちは。
SOUTH BRIDGEの神谷です。
今回は古村其飯(こむら きはん)さんのうつわをご紹介したいと思います。
まずは今年2月に古村さんの工房にお邪魔した時の様子をご覧ください。
古村さんの工房は沖縄本島南部の南城市ニライカナイ橋の近くにあり、工房の窓からは青い海と久高島が一望できます。かつて養鶏場だった細長い平屋が古村さんの工房。野草が茂る庭には、大きな窯と陶土を作るための作業場があります。工房のすぐ近くには湧き水があり、水の中には手長海老もいて水路脇にはオオタニワタリもかなりの大きさで育っています。全国名水百選に選ばれた垣花樋川からもそう遠くはないのできっとここの湧き水も水質が良いに違いない。
古村さんの窯は古式の穴窯。穴窯は、作品を焼く焼成室と燃料(薪)を燃やす燃焼室が一体になっており、作品は火前と火裏、熾(薪などの燃えさし)によっても表情が変わり、それぞれ個性ある作風がみられるのが特徴です。
燃料となる薪は、そのほとんどに琉球松を使用するこだわりよう。琉球松を燃料にしておよそ六日間焼成します。たった一人で。これには本当に驚きです。
沖縄本島南部の土、ジャーガル、マージ、クチャ、ニービと呼ばれる土をブレンドして作られます。
古村さんのうつわは、日々のうつわ、熟成ボトル、発酵甕、花入れ、抹茶碗、酒器など多岐にわたります。
古村さんのうつわは、荒焼(あらやち)と呼ばれる釉薬を掛けない焼き物で「南蛮」とも呼ばれます。一般的には焼締(やきしめ)と呼ばれるもの。
南蛮の特徴は、先ず保温性のある焼き物であること。熱いものを入れても、ほっこりした体感、冷たさも継続します。そして、もう一つは、焼き物の表面にある微細な穴。土の成分と食材が混ざり合い、味をまろやかにすると共に、保存性や熟成に優れています。昔から酒甕やしょうゆ、味噌甕に使われてきたのには理由がある、ということです。今でも泡盛の熟成には必ず荒焼の酒甕が使われます。
工房を訪れた時に振舞っていただいたお料理と古村さんのうつわ。
発酵甕で3週間寝かせて作ったという沖縄伝統料理スーチカー(塩漬けした豚バラ肉)は口に入れた瞬間に衝撃が走るほど絶品でした。
釉薬を使わない古村さんのうつわの表情は土そのもの。食材がとても映えます。
最後に、当店に入荷した古村さんのうつわをご覧ください。
花入れ、徳利、カップが入荷しております。徳利は一輪挿しとしてもお使いいただけます。
今回ご紹介できなかったもので、新作の植木鉢、壁掛け花入れも店頭には入荷しています。こちらは後日、ご紹介できればと思います。
古村さんの窯焚きは年2回。穴窯なので一度に作れる量も限られます。取扱店は全国探しても2店舗のみ。「みんげいおくむら」さんと「SOUTH BRIDGE」です。
どのうつわも1点1点表情に個性があるので是非店頭で手にとってご覧ください。
ご来店できないという方は、オンラインショップにアップしましたので下記よりご覧いただけます。