こんにちは。
SOUTH BRIDGEの神谷です。
今回は8月20日発売の芭蕉紙シェードランプをご紹介したいと思います。また、構想から製品化までの生産背景も少しばかりお伝えできればと思います。
Table Lamp
Size:φ22cm H37cm
Price:39,600yen(tax in)
Floor Lamp
Size:φ38cm H134cm
Price:99,000yen(tax in)
Material
Lamp Shade:Bashoshi (@tsu____to)
Flame:Stainless (@grau_daikou)
Made in Okinawa
<構想>
芭蕉紙シェードランプを作るきっかけとなったのは、2021年10月にTSUTOの坂さんにお会いしたのが始まり。
物販で出品されていた芭蕉紙で作られた作品はどれも魅力的で一瞬にしてファンになってしまった僕は、一緒に物作りをしたい意志をお伝えしつつ気に入った芭蕉紙製のカードケースと扇子を持ち帰ることに。
芭蕉紙は繊維質な紙肌で優しい褐色をしており、沖縄ならではの素朴なおおらかさが特徴。その特徴を生かすために何を作ろうかと考えてすぐに思い付いたので照明でした。
当時マイブームで集めていた1960年代に作られた「Cocoon Lamp」は、芭蕉紙と同じように表情に特徴があり、すぐに「これだ!」と思い立ち、芭蕉紙の扇子に光を当てました。
思った通りでした。光に当てると芭蕉の繊維が際立ち、美しい表情をしていました。照明としての透光性も問題ありませんでした。
写真は1960年代に作られた「Cocoon Lamp」
「Cocoon Lamp」参考動画
こちらは和紙で作られたイサムノグチの「akari」
和紙なので芭蕉紙と比べると繊維は細かくきれいな印象です。
それからTSUTOさんとの照明作りが始まりました。
<製作>
ベースのデザインはミッドセンチュリーの「Cocoon Lamp」
それを単純に真似るのではなく、より使いやすく、大量生産にはない職人の手仕事にこだわった丁寧な物作りをすること。そして、これらを全て沖縄県内の職人で作ることで、芭蕉紙もそうですが、沖縄で作ることに意味があるのかなと思いこだわりました。
難航したシェードの骨組みと脚部分。
市販の大量生産されたパーツで作れば簡単ですが、強度や職人の手仕事など理想を求めて探し辿り着いたのが南風原で50年余りステンレス加工をしている「大光工業」さん。
お会いするまでは職人気質の恐い人だったらどうしようという不安がありましたが、めちゃくちゃ優しい人でホッとしました。まともな設計図も持っていない僕を優しく受け入れてくれました。
お父さんと娘さんのコンビも素晴らしく、ステンレスで理想的なシェードの骨組みと脚を作ってくれました。
設計、ステンレス加工、溶接まで全て手仕事。驚きの技術と完成度です。
芭蕉紙との相性もバッチリで、この時点で満足してしまいそうでした。
最後は、この照明の要となる「芭蕉紙」
芭蕉紙(ばしょうし)
バショウ科の大形多年草で、原料には茎の部分を用います。
18世紀に誕生した 沖縄独自の紙で、仕上げるまでにはたくさんの時間を要します。
繊維質な紙肌 で優しい褐色をしており、沖縄ならではの素朴なおおらかさが特徴です。
芭蕉紙は、琉球紙のひとつ。
琉球紙とは、今から約300年前より沖縄(琉球)で漉かれている沖縄独自の紙のことです。王都首里を中心に、琉球王国内の島々へも伝承されました。
琉球紙は、気候や地理的要因により、世界で見ても唯一無二の特徴をもつ素材といえます。
琉球紙について、より詳しく知りたい方は下記よりご覧ください。
TSUTOさんについて
沖縄には「琉球紙」と呼ばれる、この島独自の紙の文化があります。
それは、沖縄に生息する植物を用いて手漉きで作られる紙のことで、沖縄の風土、また歴史的要因により、世界にも比類なき素材といえます。
現在、県内で紙漉きに従事する職人はわずかとなりました。
TSUTOは、琉球で生まれ育まれたこの文化を現代の暮らしに沿う形に表現し、この先へとつなぐ活動をしています。
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TSUTO(苞|つと)とは、「包まれたもの、その土地の土産物」を意味することば。
長くなりましたが、芭蕉紙シェードランプの構想から製品化までの約10カ月をまとめて書かせていただきました。
発売は8月20日からとなりますが、テーブルランプは少量在庫ございますが売り切れた場合は受注生産にて承ります。フロアランプは完全受注生産となります。
納期までに30日〜60日ほど目安にしていただき、お急ぎの方はご相談ください。可能な限り対応させていただきます。
※8月〜9月は姉妹店「SOUTH STORE」で販売します。その間、SOUTH BRIDGEはお休みです。